もう我慢できない。あのCMの保険ってアリ?
テレビを付けると、必ずと言っていいほど保険商品のCMが流れていますよね。
「50、80、喜んで!」の名セリフや、招き猫ダックの軽快なCMソングなど、従来の保険イメージからは考えられないほどグッと身近に感じさせる工夫がなされているのがわかります。
これらのCMは「高齢でも問題なく保険に入れそうだ」「お得感がある」「親近感がある」といった感覚を誘います。
でも、本当にCM宣伝を真に受けて良いのでしょうか?本当に良い保険商品なのか、自分のニーズに合っているのか、CMだけでは素人には判断しきれないのが本当のところでしょう。
さて国内大手と外資系保険会社とでは、その宣伝の仕方に大きな違いがあります。長年培ってきた信頼性を売りにする国内大手に対して、外資系はイメージ戦略を取ります。
CMでよく見るような、タレント起用や軽快な音楽で親近感を持たせるようなタイプは、外資系の特徴ですね。何故このような違いが生まれるのかというと、日本にしっかりと根を張った国内大手保険業界に乗り込んでいくためには、人の感情を動かしやすい「イメージ」を用いるのが一番効果的だからです。
後発組の外資系や通販系が進める、親近感のある保険、果たしてどこまで信用して良いのでしょうか。この点について、以下9社の保険CMを分析してみたいと思います。
「50、80喜んで」の隠されたワナにご注意を!
【CM情報】
・保険商品名「これからだ」
・2010年1月よりCM放映開始
・アメリカンホーム保険
・地井武男が出演
・「50、80喜んで」がキャッチフレーズ
タレントの地井武男さんが「50、80喜んで!」と呼びかけるCMは、もう知らない人はいないくらい定着した、イメージ戦略の成功例だと言っても良いと思います。ですが、実は50歳、80歳でも入れる保険の正体は隠されたまま。ここに気付いていましたか?
アメリカンホーム保険の「これからだ」は、実は長期保証傷害保険なのです。傷害保険ですから保障されるのは当然ながらケガのみ。CMイメージでは、中高年齢者でも病気入院から死亡保障までつけられるかのように見えますが、真の商品内容は単なる傷害保険なのです。保険料が飛びぬけて安く見えるのもこのため。最長で90歳まで加入延長が可能で、掛け金1は月々2,800円からという背景を知らないと、後で「話が違う」となってしまいます!確かに保険会社側だって、病気になりやすい中高年齢者に対して容易な保障を提供する方がリスクですものね。にも関わらず、CMでは高齢者をいたわるようなメッセージ性を持たせています。ここがイメージ戦略としての落とし所なのですね。
では具体的に何を保障してくれるのかというと、お葬式の費用とケガの治療実費分です。ケガ入院や不慮の事故による後遺障害に対する補償もあります。自分自身のニーズとして傷害保険を必要としているのであれば検討しても良いかと思いますが、傷害保険としては特にずば抜けたものがあるわけでもないので、イメージだけで飛びつかずによく比較検討した方が良いですね。
持病があっても無条件で入れると思ったら大間違い!
【CM情報】
・商品名「ずっとあなたと」
・2009年7月よりCM放映開始
・アリコ保険
・タレント起用は無し
・「持病があっても入れます」
「ずっとあなたと」についつい関心を持ってしまうのは、やっぱりあのキャッチコピーのせいでしょうね。
「持病があっても入れます!」と言われれば、既往症を抱えた人にとっては天の助けのようなものなのですから。
でも実は、持病アリでこの保険に加入するためには、3つの欠かせない条件をクリアしなければいけません。このことはCM内でも堂々と掲げられていますね。この3つの条件というのが、持病を持つ人にとっては非常に高い壁になっているのです。CM内で実際に掲げられている条件文を抜粋しますね。
1.最近3カ月以内に医師から入院も手術も勧められていない
2.過去半年以内に入院したことも手術したこともない
3.過去5年以内にガンまたは肝硬変と診断されたことがなく、また、ガンで入院をしたことも手術を受けたこともない
さて、持病を持つ人のうち、一体どれくらいの人がこの条件をクリアできるでしょうか。
ここがまさにポイントなんです。持病、つまり既往症を持っているということは、定期的に病院に通っている可能性が高いですよね。ということは、当然ながら、医師から入院や手術を勧められている可能性も高いし、実際にそういった処置を受けた可能性もまた高い。結局、「持病があっても入れます!」と高らかに謳うわりには、大した恩恵がないのです。
通常、既往症を持っていると告知したら、それだけで保険加入を断られることが多いです。これは保険加入の際の常識ですね。でもこういった人達は既往症があるからこそ、その治療費に大変な想いをしているのです。そこをうまく突いたというか、逆手に取ったような保険です。実際にこの保険に入れるのは、比較的軽い持病持ちの人くらいで、本当に困っている人には向かないわけです。それでいて、保険料は「既往症アリ」の設定ですからとにかく高い。給付金1万円で契約した場合、50歳で何と1万550円の保険料を取られてしまいます。ここは冷静に、持病があっても入れる他の保険を検討した方が賢い選択ですね。
親身な無料電話相談でニーズに沿った保険選びのメリットあり!
【CM情報】
・商品名「電話でセレクト入院保険」
・2009年10月よりCM放映開始
・アリコ保険
・タレント起用は無し
・「準備は何もいりません」がキャッチコピー
アリコの「電話でセレクト入院保険」を「メリットあり!」とした理由としては、まず無料電話相談で保険選びのお手伝いをしてもらえる点にあります。素人が自己判断するにはちょっと難しい保険の世界、そこをアリコにサポートしてもらえるわけですから、案外これが助かるのです。しかも、基本的に目立った特徴がない医療保険(定期あるいは終身)なので、内容がとにかくシンプル。電話相談で相談しながら、必要な特約を付けていけば良いという、わかりやすい流れがいいですね。保険料もかなり妥当で、例えばCMによると30歳男性の10年更新タイプの保険料が月々4,007円ですから、家計に対する負担感もあまり感じさせません。
あえてこの保険でアピールしている点があるとすれば、「先進医療保障」ですね。ただ、先進医療による治療ケースの大半がガン治療で、しかもかかる費用は200‐300万円ほどということを考えると、「先進医療保障が1000万円!」というのはアピールしすぎかなという印象もあります。
ただ、それを考え合わせたとしても、保険プランの分かりやすさと良心的な保険料、そして適切なアドバイスから言えば、お勧めの保険だと評価して良いでしょう。ただし、保険相談の際に、不必要な特約を勧められていないかどうか、その点は見極めて下さいね。
年配者向けのようだが高齢だったら入る価値が薄いのでは?
【CM情報】
・商品名「やさしくそなえる医療保険 終身タイプ」
・2009年10月よりCM放映開始
・アリコ保険
・天海祐希が出演
・「保険にもっと役立つ価値を」がキャッチコピー
「やさしくそなえる医療保険 終身タイプ」は、満18歳から80歳まで入れるため、特に高齢者にとっては魅力的に映る保険かも知れませんね。保険料も、60歳女性で月々3,470円、先進医療保障特約をつけても月々プラス107円ということで、かなり割安感があります。
ところが、一番関心を覚えるはずの高齢者層に対する保障が、実はそれほど充実しているわけではありません。年齢が上がるほど発生率が高まるガン治療については、その診断給付を受けられませんし、高額療養費制度があることをふまえると、かえって自己負担額が増えてしまうこともあります。このことを考えると、若い人は別としても、高齢者がわざわざ加入検討するほどの内容ではないので、焦らないで他の保険を探してみて下さいね。
割安だがあくまで普通の医療保険
【CM情報】
・商品名「やさしくそなえる医療保険 定期タイプ」
・2009年7月よりCM放映開始
・アリコ保険
・天海祐希が出演
・「費用の不安なく、より高度な医療を!」がキャッチコピー
保険商品にはあちこちアラがあるものなのですが、この「やさしくそなえる医療保険 定期タイプ」は珍しく私としては良保険として認定!です。目立った特徴もないごくごく普通の医療保険ですが、10年単位で最長90歳まで更新していけますし、終身タイプと比較しても初期の保険料がかなり良心的な設定になっています。
目立った特徴がないことは、保険自体に隠された裏事情もないと受け取って良いでしょうし、何より保険料が割安なことは多いに結構です。加入検討する医療保険対象として考えても何ら問題のないお勧め保険です!
バランス良く組み合わされた7つの総合保障は高評価
【CM情報】
・商品名「やさしくそなえる医療保険 総合保障タイプ」
・2009年6月よりCM放映開始
・アリコ保険
・天海祐希が出演
・「頼れる7つの保障を、あなたに」がキャッチコピー
「やさしくそなえる医療保険」シリーズは基本的に保険料が割安で、しかも良心的なプランが多いのですが、この「やさしくそなえる医療保険 総合保障タイプ」はお勧めプランのうちの1つと言っても良いでしょう。
7つの総合保障とは、病気入院、ケガ入院、手術、先進医療保障、死亡/高度障害保障、ガン保険、健康お祝金の7つを指しています。健康お祝金は別としても、他の6つについては、これだけカバーしてくれていればかなり安心という、非常にバランスの取れた組合せになっていることは明らかですね。
保険加入に際し、通常は、特約漬けになりがちだったり、保障の種類ごとにあれもこれもと検討しなければならないことが多いものです。それを考えれば、これ一つ加入すれば面倒もなく幅広い保障も可能なので、とてもお勧めです。
一般の医療保険でも女性特有疾病はカバーできる
【CM情報】
・商品名「やさしくそなえる医療保険 女性専用タイプ」
・2009年6月よりCM放映開始
・アリコ保険
・天海祐希が出演
・「今こそ!女性に価値ある保険を。」がキャッチコピー
「やさしくそなえる医療保険 女性専用タイプ」では、特に女性特有疾病に対する保障がとても手厚くなっています。女性特有疾病にかかると、何と他の病気の倍額給付。女性としては、この「倍額」という部分に敏感に反応してしまいそうですよね。乳がんや子宮がん、異常分娩など、女性ならではの疾病というのは確かにありますから、そこで「女性専用保険」と言われるとついつい頼ってしまいたくなる気持ちはわかります。
でも、女性特有疾病は女性専用保険でなければ保障されないのかというと、全くそんなことはないのです。一般的な医療保険でもある程度カバーすることはでき、さらに公的な保障保支援制度を活用すれば、実は十分な給付が受けられるのです。このことは案外知られていないことなので、この機会に覚えておいて下さいね。ですからわざわざ女性特有疾病のためだけに保険加入する必要は、実はそれほどなかったりするのです。
ネコとアヒルは無関係でも保険としてはGOOD
【CM情報】
・商品名「新EVER」
・2009年8月よりCM放映開始
・アフラック
・宮崎あおいが出演
・「たくさん安心を、まねきます」がキャッチコピー
招き猫ダック~と楽しげな歌とともに流れるCM。あのイメージは定着していても、何のCMだったか思い出せない人も多いかも知れませんね。「新EVER」自体は十分な保障内容を持っているので良い商品なのですが、それよりもとにかくネコとアヒルのイメージしか残らないという、何とも不思議なCMです。
さて「新EVER」ですが、何がスゴイかというと、健康保険が適用されるものも含め、合計1000種類の手術を保障範囲にしている点でしょう。基本になるのがベースプランで、これに通院保障を加えたのがスタンダードプランです。どちらも日帰り入院まで保障されるので、被保険者としてはかなりの安心感がありますね。保険料も安い方ですし、高くて使えない保険に入ることを考えれば結構お勧めです。
メリットはあれど保険料がとにかく高い「被保険者のミカタ」
【CM情報】
・商品名「明日のミカタ」
・2009年5月よりCM放映開始
・明治安田生命
・江角マキコ、相武紗季などが出演
・「明日のみかた誕生」がキャッチコピー
ようやく日本の大手保険会社の登場です。従来の保険商品には全くなかった非常に新たしいタイプを売りにする「明日のミカタ」の一番の強みは、かかった医療費の3割自己負担分がカバーされる点にあります。
通常の保険は、1日5,000円などの基準が決まっている一方、「明日のミカタ」では診療報酬点数を給付額のベースとしているため、被保険者に支払われる保険金額も実際の治療に見合った額になるのです。仮に高額療養費が適用され、自己負担分が減額された場合でも、もともとの自己負担額が支給されるので、保険としてのメリットはあると言えますね。
ただ、いかんせん保険料が高いのです。例えば35歳男性で、死亡保険金が2000万円、入院日額給付5,000円の場合、保険料は月々12,875円からになります。貯蓄保険でもないのにこの保険料では、いくら保険金額が充実しているとは言え、全体的に見ればバランスが悪いことになるので、この点は気を付けて検討して下さいね。